お施餓鬼法要の勧め

※お施餓鬼法要をなさる皆様へ

【施餓鬼とは】

本来はお盆の時期に限る法要ではないのですが、お盆だけに行う寺院が多いために、目連尊者(もくれんそんじゃ)が餓鬼道に堕ちていた母親を救った話と混同している方が多いようです。

施餓鬼の由来は阿難尊者(あなんそんじゃ・釈尊の十大弟子のお一人)の故事に始まります。

阿難尊者が夜半に瞑想行をされていると、口から炎を吐く、焔口餓鬼が現れ、「阿難よ、そなたの命は残り3日であり、死後は餓鬼道に堕ちるだろう」と言い、さらに「命を延べたければ餓鬼道にいる餓鬼を供養することだ。但し、その数はガンジス川の砂の数よりも多いぞ」と言って消えました。驚いた阿難尊者がお釈迦様に相談したところ、「恐れることはない。餓鬼道に堕ちることを免れたいのなら、苦しむ餓鬼のために、法味(お経)を捧げ飲食を施す法会を営むがよい」と施餓鬼法要を指南されました。
結果、3日といわれた寿命は延び、80歳まで生きられたのです。

施餓鬼は最高の法会と云われ、延命法であり、開運法といわれるゆえんなのです。

【先祖と私たちの関係】

誰しも、直接の先祖は両親ですから2人、祖父祖母が4人、その先は倍々に増えて行き10代遡ると、1,204人、30代ともなると1億人を超える数となります。

それは、無始という始まりのない過去にまで繋がりますが、今の自分は霊的な魂を相続しての自分ということになります。但し、それは見ることは不可能です。なぜなら亡くなった方の姿は見えないのですから。

しかし、遺伝子的に全てのDNAを引き継いでいることを知れば、可視化されてきます。と言っても、それは記号の羅列ですからピンとくるものではないでしょう。

しかし、私たちが母体にいる期間、卵から始まり、魚類のような姿になり、両生類や爬虫類のような姿に変わり、月が満ちて人の姿で生まれてきます。地球上の生命の進化の過程を経験して生まれているのです。

霊的な先祖は、常に私たちに語り掛けています。しかし、そのことに私たちが気づきません。そこで、病気や怪我、人間関係等様々の現象で知らせようとされます。

私の経験上、霊的な障りにはお施餓鬼が一番効果的である事を知っています。
しかし、私自身があまりにも忙しくなり、暫くお施餓鬼をお勧めすることを止めていました。時間もかかるので、面倒だという怠け心が出ていたのかも知れません。
しかし、どうしてもお施餓鬼でないと、救うことの出来ない精霊もおられて、必要だと感じた方にはお施餓鬼をお勧めしています。
強制は致しませんが、ものは試しでいいのでやってみませんか?

お施餓鬼に持参するもの【 お 供 物 】

 生御膳(野菜) 水菓子(果物)  乾物  お菓子

※各々、供物の種類は7種類、もしくは5種類か3種類、奇数の数で用意します。


例えば野菜なら、大根一本、ニンジン一袋、キュウリ一袋、キャベツ一玉、ゴボウ 一袋で5種類となります。

※乾物とは、わかめ・昆布・鰹節パック・椎茸・寒天・高野豆腐などです。

※仏飯、水の子、水はお寺の方で用意します。

※お施餓鬼は、一時間半以上かかります。時間に余裕をもって来寺して下さい。

※戒名や俗名などが必要だと言われた方は、経木塔婆をお書きしますから、前もっ てお知らせ下さい。

※経木塔婆は焼いて灰にして、お供物と共に夜に海に流します。海に流せない方は ご相談下さい。こちらでお流し致します。

※御法礼はお布施です。決まってはいませんが一般に皆様の思われる法事の御布施の額くらい。一応の目安として、2~3万円でしょうか。

※お供物をこちらで用意して差し上げることも可能です。供物料は5000円です。

『寶塔山』平成28年お盆号から

よく「坊さんにだけはなるつもりはなかった」と皆様に言います。しかし、仏縁に逆らえず、僧侶となった今では、こんな面白い職業はない!です。なにがそんなに面白いのか、それは、人を変えることの出来る職業だからです、

では、何をすれば変わっていけるか。それはいつも言いますように、祈りしかありません。

その祈りにも、先祖供養やご祈祷など、さまざまのやりかたがありますが、やはり、お施餓鬼が一番効果的ですし、結果が早いです。長い間、お参りされている方達は、病気でも、進学でも就職でも、お施餓鬼を頼まれます。

ただ、この10数年あまりお施餓鬼を勧めてきませんでした。2時間近くの時間もかかることも原因なのかもしれませんが、お施餓鬼はともかく疲れます。ずっとお施餓鬼をしている家はそうでもありませんが、初めての場合や、強い霊障のある方など、ぐったりと疲れてしまいます。

昨年の秋の初め、お孫さん2人が、公務員の採用試験を受けるので、「お上人忙しいとは思いますが、お施餓鬼をお願いしたいんですが・・」と言ってみえた人がありました。試験の日まで、数を重ねましたが、結果は2人とも採用されて、この春から公務員として勤めています。

また、卒業試験に合格すれば卒業できるのに、卒業試験をパスしないという、男性と女性が、この春霊断にみえました。女性は、就職も決まっています。前記のこともあったので、「じゃあ、お施餓鬼をしてみましょうか」とお勧めし、お施餓鬼をすることとなりました。

卒業試験は3度のチャンスなのですが、結果は2人とも3度目の試験は不合格という結果でした。
ただ両者ともに、不思議なことに特例として、4回目の卒業試験が行われることとなり、2人とも無事に卒業を果たし、彼は、難関の国家試験も一発でパスして、社会人としてのスタートを切ることが出来たのです。

4回目の卒業試験が行われるという奇跡、しかしそれは、奇跡ではなく、必然として現れるものです

正しい祈りには、正しい守り(利益)が現れることは、至極当然なことなのですから。