暦からみた令和五年はどんな年❔

元旦からの、初参りにお参りの皆様に、毎年今年の暦、干支についてお話ししていますが、今年は、十干は「癸みずのと」、十二支は「卯」、「癸卯」 (みずのとう)の年です。

「癸」には、季節で言うなら小寒、また意象には閑静、渋滞といった意味があり、まだ固いが少し動きが出てきた状態を表しています。

「卯」は、草木が地面をおおうようになった状態を表していて、萌え出る春のイメージなのですが、今年の「癸卯」の納音五行は、昨年の干支「壬寅(みずのえ・とら)」と同様、「金箔金(きんぱくきん)」です。

金箔は、薄く伸ばしてあるので金としての役にたたないところから、終迫(終わりが迫る)、死絶(死に絶える)という意象を持つので、決して手放しで明るく希望のある年!とばかりは言い切れませんと昨年お話ししましたが、年を現わすイメージとして、「陣痛の年」と言っていました。

それは、令和四年から、これまでの世界観や価値観が大きく変わっていく時を迎えるという意味で、ソニーが車を作る時代です、企業の業態も大きく変えていかないと、新たな社会に対応が出来なくなるでしょうと、昨年は書いていますが、生みには、生みの苦しみがあるところから、「陣痛の年」と呼び表わしたのです (笑)

果たして、昨年はウクライナでの戦争がはじまり、世界中の人々が、辛い陣痛の苦しみを味わいましたが、しかし今年の陣痛は、もっと強くなると予測されます。

いよいよ、価値観や生き方を大きく変化させていかないと、持続可能な世界にはならないものと思います。

「金箔金」の表す金箔は、微量の金を意味し、他者を引き立てるがそのままでは自身は薄いままですが、しかし本来は金であり、素晴らしい資質を持っています。

当山は、若い人たちのお参りが多いお寺です。若い世代にとって、これからの世界は、生き抜くことが困難な世界となることが予想されるので、耳に痛いだろうなと思いながらも、それを乗り越えるには、自らのスキルを上げておく、資格を持っておく、そして何より学ぶことを止めない事が必要だと話しています。

「癸卯」という言葉は、既に春の兆し(新しい時代の始まり)は始まっていて、これからは今まで培われた実力が試される局面に入ったことを指し示していますが、いつもお話しする通り、人知を超えたことには神仏に対して、また先祖に対して祈ることしか出来ません。

神秘世界からの、ご守護を頂きながら、今年をいい一年にしてください。