『寶塔山』平成25年9月号から

体と心のバランス。特に子供たちの立場から
この数年、高校生になったばかりの子供たちが、原因不明の発熱や腹痛が続くことでお尋ねにみえる方が増えてきました。悲しい訳でもないのに、授業中に涙が出て止まらないという子もいました。
いろいろな原因はあるのでしょうが、携帯電話に一因があるように感じています。
今の時代、多くの子が、高校生になり携帯デビューします。携帯の普及で公衆電話を見つけるのが難しくなった時代背景もあり仕方がないのですが、始めはただ嬉しくてメールやラインで友人と繋がるのが楽しくて仕方ないようです。
でも、すぐに返信をしなくては・・などと気にするようになると本人も気が付かないうちにストレスになってしまうのです。
私などは、「メールの返事は遅いから、いつになるか分かりません」と周知していますから、それほど気にしないのですが、それでも返信をしていないと、早く返さなきゃとやっぱりドキドキします。
さらに心配なのが、ゲームやSNSに夢中になるあまり、呼吸が浅いということです。ちゃんと息をしているのかと心配になる程です。
そのような状態のまま、勉強にとりかかっても、脳が酸素不足なら十分な記憶力も発揮できず、成績も下がることとなります。
勉強を始める前には、大きく息をして(なるべくなら腹式呼吸!)脳に酸素を送り込んでからすると良いでしょう。

もう一つ思い当たるのがエアコンです。
我が家の娘も、夏休み中、補習や部活が無い日は、一日中寒いと思うくらいの部屋から出て来ませんでした。室内の温度と、外の気温との差はとんでもないもので、いざ部屋から出る時の自律神経に与えるストレスは大変なものです。
結局自律神経がコントロールできずに、発熱や腹痛、咳などの症状で苦しんでいました。
携帯電話も、エアコンも普及してそんなに時間が経っていません。機械の進化に、人の方がついていけていないのです。
あと何世代かすれば、人も進化して適応出来るようになるかもしれませんが、今のところ、親が注意をしてあげるしかないようです。
ついでに言えば、特に若い女の子のいるお母さんたちに言うのですが、涼しいエアコンの中にいて、冷たいものばかり摂っていると体を冷やし過ぎてしまいます。近年、不妊で来寺される方が本当に多くなりました。
不妊にもいろいろな要因はあるのでしょうが、女の子がお腹を冷やすのは感心しません。
近年、ファミレスに行くと、必ずサラダバーがあります。夏は、体を冷やす生野菜を食べるのは良いとしても、寒い時のサラダバーはNGなのです。
家払いに伺った折、その家の娘さんが子供が授からないと相談され、「ちゃんとお風呂に入っている?シャワーだけにしていない?」と尋ねると、「シャワーだけです」という返事だったので、お風呂に浸かるように伝えたところ、すぐに子供が授かったということもありました。

身体の陰陽
身体も、陰と陽により構成されます。
宇宙、大自然の法則ですから、自律神経系の病気や、将来、不妊などにならないように、親御さんから教えてあげる必要があると思います。
もっとも、携帯も、エアコンによる不調も夏バテも、自律神経の仕業です。
少しややこしい話ですが、神経には中枢神経と末梢神経があります。中枢神経は陽、末梢神経は陰に配置されます。
全身に張り巡らされている末梢神経もまた、体性神経と自律神経に分けられます。
体性神経は体を動かしたり、知覚に関する働きを司り陽に配され、自律神経は血液の流れ、内臓の動き、呼吸など意識せずに行われているもので、読んで字の如く、神経自体が自立をしていて自分ではコントロールできないのが特徴で陰に配されます。
さらに自律神経には、交感神経と副交感神経の二つがあり、交感神経が陽の要素で、アクセルの働きをし、副交感神経は陰で、ブレーキの役割をしています。この二つが体温や脈拍を調整し、呼吸を整えて、環境に適応出来るように働いているのです。
ちなみに、冬に向かっては交感神経が優位となり、血圧を上げて、体温を下げ寒さに耐えれる体にし、逆に夏に向かっては、副交感神経が優位となり、血圧を下げ、体温を上げて夏の暑さを乗り越えようとしているのですが、季節の変わり目はこの働きがうまくゆかず、今の時期ですと、夏風邪や夏バテとなって表れるのです。
では、コントロール出来ない自律神経のバランスを保つにはどのようにすればよいのでしょう。ウォーキングなどは良いとされます。
しかし一番いいのはリラックスすることです。ゆっくりとお風呂に浸かったり、大きくゆっくり腹式呼吸するように心がけることです。
とすると、お経を読み、大きな声でお題目をお唱えすることは自律神経には良いことだらけです。
自宅では大きな声が出せないという方は、お寺の本堂で好きなだけ大きな声を出してみてはいかがでしょうか。