『寶塔山』平成27年お盆号から

前号に「永代供養墓」について書いたところ、何軒かの質問を頂きました。
一番多かったのは、お墓がよいのか、それとも納骨位牌堂がよいのでしょうか、という質問です。
九州から関西にかけては、納骨位牌堂を持っているお寺が多かったのですが、近年東北、北海道にも増えてきたそうです。それは、雪が降るとお墓参りが出来ないという地理的なものが関係しているようです。
確かに、天気や気温に関係なくお参り出来るのは位牌堂の利点です。そのようなニーズも増えているために、現在位牌堂を新築さているお寺様も多いようです。
但し、マイナス面もあります。建物である以上、数十年後には建て替えの必要が出てくることです。
今から30年後の人に、位牌所を持っている人の受益者負担ですから、建て替えに寄付をして下さいと言って、どれくらいの人が寄付を出来るのでしょうか?。一抹の不安を感じざる得ません。
では、お墓ならどうでしょう。
NHKの「日本人の意識調査」で宗教的な行動の移り変わりも調査されています。
昭和48年から、平成25年までの意識の変化ですが、墓参り、御札や御守、祈願、おみくじなどはなさる方が増えています。逆に減っているのは、毎日のお参りや、経典や聖書を学ぶことでした。
お墓参りに関してだけみると、昭和48年に62%であったのが、平成25年には72%の人がお墓参りをすると答えています。
なんと、10%の増加です。
たまたまでしたが、子供がエホバに入信していて、後の供養がしてもらえないという方が二組来寺されました。
先に来寺された方は、家の近くに古いお墓が建っているが、お寺の墓地を買って移して良いかという相談を受けました。他宗のお寺ですが、そこに墓を建てて、墓ごと永代供養してもらえるように頼みなさいとお話ししました。
公共の霊園は、管理費の未納が重なると撤去されますが、都会のお寺は別としても、田舎のお寺で撤去するという話はあまり聞きません。何故なら、撤去するのも大変だからです。ですから、そのままでも永代にお墓は無くならないでしょうが、ちゃんと供養してもらえるようにと、そのような方法をお勧めしたのです。
後から見えた方は、霊園に墓地を移したいということでしたので止めた方がよいとお話ししたのですが、霊園に移されました。全く思想信条の違うエホバの信者が、お墓をお参りしてくれることは無いのですが・・。
墓地はお寺の敷地内といっても公共の土地という性格のものです。現在、墓地の経営が許されるのは、自治体と宗教法人です。営利目的で霊園を造り、ヤーメタといわれては困るからです。ですから地目自体が墓地となり、基本永遠に地目を変えることは出来ません。
お寺の墓地に建碑し、永代供養をするということは、お寺が続く限り供養してもらえるということです。これ以上の安心はないのではないでしょうか。
日本人は、お墓参りに強い想いがあることは間違いありません。
また、お寺にお墓があれはお参りしたおりなどに、悩み事を相談したりできるかも知れません。
いずれにしても高い買い物なのですから、祭祀者の有無や、家庭の状況など様々の要素を考慮して選ぶべきでしょう。